修士課程 第一次 専門試験
2023年度
問題1 近代化によって戦争はどのように変化したか。近代化や近代性に関する理論をひきながら社会学的に論じなさい。ただし、兵器の近代化によって死傷者が増加した、といった凡庸な議論は評価が低いので注意せよ。
問題2 以下の8つの社会学用語のうちから5つを選択し、その意味を説明しなさい。
1 コミュニティとアソシエーション(community and association)
2 顕示的消費(conspicuous consumption)
3 象徴的暴力(violence symbolique)
4 多文化主義(multiculturalism)
5 人的資本(human capital)
6 ミソジニー(misogyny)
7 アナール学派(École des Annales)
8 ダブルバーレル質問(double-barreled question)
2023年度夏期選抜試験
問題1 現代世界の変化を捉えるのに適切な理論を1つ挙げ、それを用いて世界の現状を分析し、将来展望を示してください。
問題2 以下の8つの社会学用語のうちから5つを選択し、その意味を簡潔に説明しなさい。
1 官僚制(bureaucracy)
2 ミドルクラス(middle class)
3 社会的ネットワーク(social network)
4 方法論的個人主義(methodological individualism)
5 構造化理論(structuration theory)
6 コールマン・ボート(Coleman’s boat)
7 感情規則(feeling rules)
8 キャリーオーバー効果(carry-over effect)
2022年度
問題1 後期近代に入って階級構造がどのように変容してきたか、論じなさい。
問題2 以下の8つの社会学用語のうちから5つを選択し、その意味を説明しなさい。
1 機能主義(functionalism)
2 二重の解釈学(double hermeneutic)
3 ハイパーリアル(hyperréel)
4 ディアスポラ(diaspora)
5 戦略的本質主義(strategic essentialism)
6 統計的差別(statistical discrimination)
7 性別職域分離(occupational gender segregation)
8 有意抽出 (non-probability sampling)
2022年度夏期選抜試験
問題1 文化と権力の関係についての代表的な社会学理論を1つ取り上げ、①その要点を簡潔に解説し、②具体的な事例にそれを適用した上で、③この理論に対するあなた自身の評価を述べなさい。
問題2 以下の8つの社会学用語のうちから5つを選択し、その意味を簡潔に説明しなさい。
1 動機の語彙(vocabularies of motive)
2 伝統の創造(invention of tradition)
3 ポスト構造主義(post-structuralism)
4 社会的承認(social recognition)
5 脱工業化(de-industrialization)
6 グローバル・ケア・チェイン(global care chain)
7 心理学化する社会(psychologized society)
8 層化2段抽出 (stratified two-stage sampling)
2021年度
問題1 今後さらにテレワークが拡大し、日本に定着するとしたら、日本社会はどのように変化するだろうか。社会学の知見を参照・応用して予測しなさい。
問題2 以下の8つの社会学用語のうちから5つを選択し、その意味を簡潔に説明しなさい。
1 理解社会学(verstehende Soziologie)
2 還元主義(reductionism)
3 状況的自己(situated self)
4 フェミニズム(feminism)
5 ポジショナリティ(positionality)
6 二重労働市場論(theory of dual labor markets)
7 受益圏/受苦圏
8 標準誤差(standard error)
2021年度夏期選抜試験
問題1 世界的なパンデミックとなったCOVID-19は社会にも大きな影響を与えた。それぞれの社会がもつ特性が露わになったり、さまざまな社会問題が噴出したりした。あなたが関心をもっている領域におけるCOVID-19の社会的影響はいかなるものであるか、これまでの報道やあなた自身の観察に基づき、かつ社会学の理論や学説に言及しながら論じなさい。
問題2 以下の8つの社会学用語ないし人名のうちから5つを選択し、その意味を簡潔に説明しなさい。
1 自己成就的予言(self-fulfilling prophecy)
2 相対的剥奪(relative deprivation)
3 フランクフルト学派(Frankfurter Schule)
4 メリトクラシー (meritocracy)
5 暗黙知(tacit knowledge)
6 トランスナショナリズム(transnationalism)
7 20パーセンタイル (20 percentile)
8 アンソニー・ギデンズ(Anthony Giddens)
2020年度
[1] グローバル化の進展に伴って、どのような社会学の方法が求められるようになっているか。既存の方法論の限界と新しい方法の可能性について論じなさい。
[2] 以下の8つの社会学用語のうちから5つを選択し、その意味を簡潔に説明しなさい。
1 集合的記憶(collective memory)
2 文化的再生産(cultural reproduction)
3 言語論的転回(linguistic turn)
4 ワークフェア(workfare)
5 内部植民地化(internal colonization)
6 ロマンティック・ラブ・イデオロギー(ideology of romantic love)
7 インターセクショナリティ(intersectionality)
8 クラスター分析(cluster analysis)
2020年度夏期選抜試験
[1] 社会的不平等は社会学においてどのように説明されてきたか。このテーマに関連する代表的な理論を1つ取り上げて、その長所と問題点を挙げながら解説しなさい。
[2] 以下の8つの社会学用語のうちから5つを選択し、その意味を簡潔に説明しなさい。
1 実証主義(positivism)
2 イーミックとエティック(emic and etic)
3 物象化(reification)
4 世界システム論(World-Systems theory)
5 オリエンタリズム(Orientalism)
6 公共社会学(public sociology)
7 日本的経営(Japanese-style management)
8 回帰分析(regression analysis)
2019(平成31)年度
[1](1) 出来事や物事、現象にアプローチする社会学的方法論の特徴について、他のディシプリンの方法論(例えば経済学、歴史学、心理学など)と比較しながら説明しなさい。
(2) 社会学的方法論に基づく著名な研究成果を一つあげて(誰の何という著作であるかを示すこと)その概要を記述しなさい。
(3) 社会学的方法論に対する批判や問題点としてどのような見解があるかを指摘した上で、それを克服し社会学的方法論を発展させるために何が必要かについてあなた自身の考えを述べなさい。
[2]以下の8つの社会学用語のうちから5つを選択し、その意味を簡潔にしなさい。
1 福祉レジーム(welfare regime)
2 生態学的誤謬(ecological fallacy)
3 エスノグラフィ(ethnography)
4 文化相対主義(cultural relativism)
5 現象学的社会学(phenomenological sociology)
6 コモンズ(commons)
7 ホモソーシャル(homosocial)
8 合法的支配(legale Herrschaft)
2019(平成31)年度夏期選抜試験
[1] 1970年代以降の社会の変化に関して、いくつもの概念や理論枠組が提案されている。それらのうちの一つを選び、それを用いて具体的な社会の変化の例を示しなさい。
[2] 以下の8つの社会学用語のうちから5つを選択し、その意味を簡潔にしなさい。
1 シチズンシップ(citizenship)
2 方法論的ナショナリズム(methodological nationalism)
3 媒介変数(mediator variable)
4 ユルゲン・ハーバーマス(Jürgen Habermas)
5 内発的発展論
6 人的資本(human capital)
7 有機的連帯(solidarité organique)
8 社会問題の構築(construction of social problem)
2018(平成30)年度
[1] グローバリゼーションに関する社会学的視座と関連する研究を複数あげてその概要と特徴を説明し、今日のグローバル化現象に関するあなた自身の見解を述べなさい。
[2] 以下の8つの社会学用語ないし人名のうちから5つを選択し、その意味を簡潔に説明しなさい。
1 社会化(socialization)
2 ドラマトゥルギー(dramaturgy)
3 感情労働(emotional labor)
4 シカゴ学派(Chicago School)
5 相対的貧困(relative poverty)
6 フォーカスグループ・ディスカッション(focus group discussion)
7 母集団と標本(population and samples)
8 ピーター・L・バーガー(Peter L. Berger)
2018(平成30)年度夏期選抜試験
[1] 「再帰的近代」や「第二の近代」といった言葉で近代が新しい段階に入ったと言われることがある。このような新しい段階の「近代」の特徴について論じなさい。
[2] 以下の8つの社会学用語のうちから5つを選択し、その意味を簡潔に説明しなさい。
1 社会統合(social integration)
2 機能的等価物(functional equivalent)
3 Iとme(I and me)
4 権威主義的パーソナリティ(authoritarian personality)
5 経路依存性(path dependence)
6 新しい社会運動(new social movement)
7 同族団
8 キャリーオーバー効果(carry-over effect)
2017(平成29)年度
[1]社会学には単に客観的事実を記述・説明するのではなく、社会的行為や社会現象の意味を解釈することを重視するアプローチがある。このような意味解釈を重視するアプローチの長所と短所を整理したうえで、あなたの考えを述べよ。
[2]以下の8つの社会学用語ないし人名のうちから5つを選択し、その意味を簡潔に説明しなさい
1 アノミー(anomie)
2 功利主義的社会理論(utilitarian social theory)
3 コミュニケーションの二段の流れ(two-step flow of communication)
4 グローバル都市(global city)
5 脱家族化(defamilization)
6 六次産業
7 95 %信頼区間(95 percent confidence interval)
8 チャールズ・ライト・ミルズ(Charles Wright Mills)
2017(平成29)年度夏期選抜試験
[1]社会学の理論において、人間の行為はどのように分析されてきたか。代表的な理論をいくつかとりあげ、特に行為を動かす要因として何を重視するかに焦点を合わせてそれらのアプローチの特徴を解説し、各々の利点や問題点を明らかにしなさい。
[2]以下の8つの社会学用語ないし書名のうちから5つを選択し、その意味を簡潔に説明しなさい。
1 市民社会(civil society)
2 社会圏の交錯(Kreuzung der sozialen Kreise)
3 自由浮動的インテリゲンチャ(freischwebende Intelligenz)
4 至高の現実(paramount reality)
5 創発特性(emergent property)
6 生権力(bio-pouvoir)
7 オッズ比(odds ratio)
8 『贈与論』(Essai sur le don)